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【初心者向け】環境計量士(濃度関係)の解き方 第71回環化編

こんにちは!

Thinkです。

 

今回は「環境計量士の試験を受験したい(した)けど、何を勉強すればいいのかわからない」といった方のために、確実に解きたい問題をピックアップしました。

 

難易度が高い計算問題や、法令の穴埋め問題は捨てるか暗記することになりますが、できるだけ点数を稼ぐために「ちょっとした考え方」をすることで解ける問題を記載しています。

(あまり難しい問題は私も自信がないので・・・) 

 

環境計量士の試験勉強をする方は、勉強方針の参考としてもらえればと思います。

 

なお、この記事に掲載している問題は、経済産業省で公開している 「過去の計量士国家資格問題」の第71回及びその正解番号から引用しております。

 

👇過去の計量士国家試験問題のリンク

www.meti.go.jp

 

👇

www.meti.go.jp

 

 

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①どのような考え方をするべきか?


問題を解くときに、考えるポイントは以下の点です

  1. 問題文で与えられた情報(スタートライン)から正解(ゴール)までの道筋を組み立てる
  2. 分からないときは、素直にそのまま考える
  3. 公式が書いてある問題は、まず公式に当てはめてみる
  4. 仲間外れを考える

ただ、これらをするためには、基礎的な化学の知識は必須になります。

 

なので、過去問に出てきた化合物の構造式や化合物名は最低限覚えてたほうが良いです。

 

 

②問題の解き方


問2 大気汚染防止法第2条第16項の「自動車排出ガス」について、大気汚染防止法施行令第4条で定める物質に該当しないものを、次の中から一つ選べ。

1 二酸化炭素

2 炭化水素

3 鉛化合物

4 窒素酸化物

5 粒子状物質

正解:1

この手の問題は、もちろん法令を暗記していれば解くことができます。

 

ただ、試験当日の緊張で度忘れしてしまったり、そもそも勉強していないと法令を覚えていないので正解がわかりません。

そうゆうときは、問題文から推測して解くことをオススメします。

 

まず問題文から、問題の意図を抜き出しましょう。

「何とか法の何とか項、条・・・」については、考えてもどうせわかりませんので、無視します。

 

そうすると「自動車排出ガスについて、定める物質に該当しないものを、次の中から一つ選べ」となります。

無害な物質については、規制する必要が無いので基本的に排出制限を定めることはありません。

 

そのため、この法令で定めているのは有害な物質になります。

 

ここで、選択肢を眺め有毒性の強さ比べをしてみましょう。

 

ある程度化学の知識があったり、ニュースを見ていると、まず毒性が強そうな物質として、鉛化合物、窒素酸化物が上がるかと思います。

窒素酸化物は酸性雨の原因になりますし、鉛は鉛中毒の原因です。

金属化合物は少量で生物に影響が出るので基本的に有害だと思ったほうが良いです。

(厳密に言えば水も有害ですが、体に害が出るまでに必要な量が多いだけです)

 

次に粒子状物質についても、PM2.5という単語を聞いたことがあるかと思います。

これは非常に小さな粒子で、肺の中に入り込み悪影響を与えます。

 

そして二酸化炭素ですが、これも濃度が増えると悪影響が出るものの、常に肺の中に存在する物ですし、他の有害物質のように体に蓄積していくこともほとんどありません。

 

なので相対的にみて二酸化炭素が該当すると考えてよさそうです。

 

問4 水質汚濁防止法第2条第2項第2号の水の汚染状態を示す項目について、水質汚濁防止法施行令第3条で定める項目に該当しないものを、次の中から一つ選べ。

1 水素イオン濃度

2 いおう含有量

3 浮遊物質量

4 大腸菌群数

5 溶解性鉄含有量

正解:2

 真面目に解説しようとすると、水質汚濁防止法施行令第3条で定める項目は

・水素イオン濃度

・生物化学的酸素要求量及び化学的酸素要求量

・浮遊物質量

・ノルマルヘキサン抽出物含有量

・フェノール類含有量

・銅含有量

亜鉛含有量

・溶解性鉄含有量

・溶解性マンガン含有量

・クロム含有量

大腸菌群数

・窒素又はりんの含有量

と書いてあるので、該当しないのは「いおう含有量」。

となるかと思います。

 

ですが、これを覚えていない場合はどのように考えればいいでしょうか?

 

まず気が付くのが、選択肢の項目が「そこまで毒性が高い物ではない」という事です。

というのも、人間が創り出す物質の中には、本当にヤバイ物があるからです。

 

例えばシアン化合物、カドミウムヒ素・・・

のように、何かの事件でも使われることがあるような物質、つまり摂取したら即死するレベルの物質がありますが、この問題の選択肢に入っていないのです。

 

なので、この選択肢にある物は、少しでも環境中に排出したらダメという物ではなく、「多少排出しても生態系に影響がなければいいよ」という物です。

特に大腸菌なんかはほっといても増えますし。

 

このことから、この選択肢は「生態系に影響があるかないか」を考えることで

少しでも正解に近づけるかと思います。

 

選択肢の中で、仲間外れを探してみましょう。

水質汚濁なので、「水に溶ける物は規制対象」と考えてみます。

そうすると、水素イオン濃度と溶解性鉄含有量は対象になりそうです。

また、金属類は規制対象になることが多いです。

 

次に大腸菌群ですが、こういった微生物に関してはバランスが大事です。

というのも、増えすぎると水中の酸素が不足するので水生生物が酸欠を起こし、悪影響を与えますので監視が必要ですね。

 

残るは浮遊物質と硫黄ですが、硫黄自体は水に溶けません。

なので、仮に水中の硫黄を調べようとすると、浮遊物質として扱う事になります。

水中の硫黄が多くなると、浮遊物質量が増えるので間接的に異常を検出できる。

という考えです。

 

さらに、硫黄が酸化すると硫酸イオンになりますので、過剰に増えると関節的に水素イオン濃度で異常を検出できる。

 

あくまでも私の考えですが、硫黄は水に溶けない上に、間接的に異常を検知できるので、わざわざ規制対象としなくても良いと思います。

 

なので、総合的に考えて、いおう含有量を選択できるかと思います。

 

問6 主量子数$\small\mathrm{n=4}$の電子殻(N殻)に収容できる最大の電子数として、正しいものを一つ選べ

 

1 $\small\mathrm{18}$

2 $\small\mathrm{24}$

3 $\small\mathrm{28}$

4 $\small\mathrm{32}$

5 $\small\mathrm{36}$

正解:4

この問題は、N殻に最大で何個電子を入れることができるか?という問いですね。

化学の基礎で習う通り、原子の周りに電子があり、それが入る場所を「殻」と表現をします。

殻はK、L、M、N・・・のように、アルファベット順になっていて、K殻は2個、L殻は8個、M殻は18個、N殻は32個(答え)の電子を収容することができます。

これは一応公式があって、$2n^2$のnにk殻は1、L殻は2のように、n番目の殻を代入することで、その殻に入る最大の電子数が算出できるようになっています。

これは公式を覚えるか、もっと詳細な電子軌道の知識が無いと難しいかもしれません。

こればっかりは公式を覚えることをオススメします。

 

問7 同体積の$\small\mathrm{0.03molL^{-1}}$硝酸銀水溶液と$\small\mathrm{0.01molL^{-1}}$塩化ナトリウム水溶液を混合した。混合後の溶液中に溶解している塩化物イオンの濃度は幾らか。

次の中から最も近いものを一つ選べ。

ただし、塩化銀の溶解度積を$\small\mathrm{[Ag^+][Cl^-]=1×10^{-10}(molL^{-1})^2}$とする。

 

1 $\small\mathrm{1×10^{-5}molL^{-1}}$

2 $\small\mathrm{1×10^{-6}molL^{-1}}$

3 $\small\mathrm{1×10^{-7}molL^{-1}}$

4 $\small\mathrm{1×10^{-8}molL^{-1}}$

5 $\small\mathrm{1×10^{-9}molL^{-1}}$

正解:4

この問題は、有名な難水溶性塩である塩化銀をモデルにした問題です。

問題をどのように解いていくか、流れを考えてみます。

  1. 反応式を考える
  2. 沈殿が生成するかしないか考える
  3. 溶解度積から溶液中の塩化物イオン濃度を求める

 

まずは反応式ですが

$$\small\mathrm{AgNO_3+NaCl→AgCl+NaNO_3}$$

となります。

硝酸銀と塩化ナトリウムから、塩化銀と硝酸ナトリウムが生成し、塩化銀が水にとても溶けにくいので沈殿する反応です。

反応の比率としては、銀イオン1molに対して、塩化物イオン1molが反応して、1molの塩化銀が発生します。

なお、この反応は逆にも反応が進み、平衡状態では見かけ上反応が停止します。

 

次に沈殿が生成するかしないか確認しましょう。 上記の通り難水溶性塩の塩化銀を生成する反応なので、「えっ、沈殿はできるんじゃない?」と思われるかもしれませんが、実は沈殿が生成しない事もあります。

例えば、塩化物イオンあるいは銀イオンの量がとても少ない場合です。

ここで溶解度積の出番です。

溶解度積の$\small\mathrm{[Ag^+]}$は銀イオンのモル濃度で、$\small\mathrm{[Cl^-]}$は塩化物イオンのモル濃度を示します。

$\small\mathrm{[A]}$というのは、Aのモル濃度という意味です。なぜカギカッコを使うのかはわかりませんが、誰が決めたようです。

 

ここで、溶解度積と同じように問題文に書いてある銀イオンと塩化物イオンの濃度を単純にかけてみましょう。

$$\small\mathrm{0.03×0.01=0.0003=3.00×10^{-4}}$$

となります。

溶解度積は、水に溶けにくい塩が水に溶けだすイオンの積で、水に溶けることができる最大量だと思ってください。

つまり、溶解度積の数値よりも小さい場合は水に溶けますが、大きい場合は水に溶けなかった分が沈殿として生成するという事になります。

この問題の溶解度積は$\small\mathrm{1.0×10^{-10}}$なので、先ほど求めた$\small\mathrm{3.00×10^{-4}}$の方が大きい値です。

そのため、沈殿が発生することになります。

 

沈殿が発生することがわかりましたので、次に水溶液中の塩化物イオンの濃度を求めていきましょう。

 

まずは反応式をもう一度眺めてみます。

$$\small\mathrm{AgNO_3+NaCl→AgCl+NaNO_3}$$

 

そして、この反応がどのように進行するか考えてみましょう。

この問題では、それぞれの溶液を「同体積」混合しています。

仮にそれぞれの体積を1Lとすると、硝酸銀水溶液1Lと塩化ナトリウム水溶液1Lを混ぜている事になります。

混合直後で沈殿が発生する前は、混合液中の銀イオンと塩化物イオンのそれぞれのモル数は、どちらも化合物1molからイオンが1mol生成するため

銀イオン:$\small\mathrm{0.03molL^{-1}×1L=0.03mol}$

塩化物イオン:$\small\mathrm{0.01molL^{-1}×1L=0.01mol}$

となります。

 

その後、銀イオンと塩化物イオンが反応し、塩化銀が発生します。

 

溶解度積で使う数値は、銀イオン濃度と塩化物イオン濃度なので、銀イオンの濃度を求めれば、塩化物イオンの濃度がわかります。

 

塩化物イオンのモル数は、生成した塩化銀から溶け出したものと、未反応で溶液中に残っているものの合計になります。

そのため、塩化物イオンのモル数は

塩化物イオンのモル数=未反応のもの+塩化銀から溶け出したもの

となります。

 

ここで、未反応状態の塩化物イオンですが、初めに混合した量を比較すると銀イオンの方が多いため、すべて反応してしまいます。 そのため、未反応状態の塩化物イオンはありません。

なので、塩化銀から溶け出したものをX、塩化物イオンの濃度をAと置くと、混合液の体積が2Lとなっているため、

$$\small\mathrm{\frac{X}{2}=A}$$ $$\small\mathrm{X=2A}$$

となります

 

次に銀イオンのモル数を求めていきましょう

銀イオンのモル数も、未反応状態のものと塩化銀から溶け出したものの合計になります。

未反応のものは、塩化物イオン1molに対して銀イオンが1mol反応するので、入れた銀イオンのモル数から塩化物イオンのモル数を単純に差し引けば良いです。

$$\small\mathrm{0.03-0.01=0.02}$$

となります。

 

次に塩化銀から溶け出したものですが、これは塩化銀から銀イオン1molが溶け出すと塩化物イオンも1mol溶け出しますので、Xと同じ数になります。

そのため、銀イオンのモル数をBと置くと

$$\small\mathrm{B=0.02+X}$$

$$\small\mathrm{B=0.02+2A}$$

となります。

 

混合液の体積が2Lとなっているため

$$\small\mathrm{B=\frac{0.02+2A}{2}}$$

$$\small\mathrm{B=0.01+A}$$

となります。

 

ここで溶解度積の式から

$$\small\mathrm{A×B=1×10^{-10}}$$

 

なので、これに銀イオンの濃度を代入すると

$$\small\mathrm{A×(0.01+A)=1×10^{-10}}$$

となります。

展開すると

$$\small\mathrm{A^2+0.01A=1×10^{-10}}$$

 

となります。

 

これをAについて解けば答えが出ますが、二次方程式になっているため少し厄介です。

 

そのため、答えの選択肢から逆算してみましょう。

選択肢の値を左辺に代入し、右辺と等しくなればそれが答えです

 

選択肢1を代入

$$\small\mathrm{(10^{-5})^2+0.01×10^{-5}=1×10^{-10}}$$

$$\small\mathrm{10^{-10}+1×10^{-7}=1×10^{-10}}$$

これは$\small\mathrm{10^{-7}}$という、右辺よりも大きい数値の項がある時点で等しくなりません。

そしてこれで一つ分かることがあります。

 

それは、代入した数字に$\small\mathrm{0.01(=10^{-2})}$がかけられるので、代入した値が$\small\mathrm{10^{-8}}$なら、右辺と等しくなりそうです。

 

なので、選択肢4を代入してみましょう。

そうすると

$$\small\mathrm{(10^{-8})^2+0.01×10^{-8}=1×10^{-10}}$$

$$\small\mathrm{10^{-16}+1×10^{-10}=1×10^{-10}}$$

となります。

 

ここで、$\small\mathrm{10^{-16}}$は$\small\mathrm{10^{-10}}$に対して1000000分の1なので、足しても数値に変化がありません。

例えば、1000000に1を足すと1000001となりますが、今回の問題のように有効数字1桁が必要な桁だとすると、どちらも$\small\mathrm{1×10^6}$になりますよね?。

つまり、必要な桁数よりもずっと小さい値は無視しても良いのです。

 

そうすると、左辺と右辺が等しくなりますので、答えは4になります。

 

問8 硫酸酸性下、濃度不明の過酸化水素水$\small\mathrm{20.0mL}$を$\small\mathrm{0.100molL^{-1}}$過マンガン酸カリウム水溶液で滴定したところ、終点までに$\small\mathrm{12.0mL}$を要した。

この過酸化水素水の濃度は幾らか。次の中から最も近いものを一つ選べ。

なお、化学反応式は以下の通りである。

$$\small\mathrm{2KMnO_4+3H_2SO_4+5H_2O_2→2MnSO_4+K_2SO_4+8H_2O+5O_2}$$

 

1 $\small\mathrm{0.0600molL^{-1}}$

2 $\small\mathrm{0.120molL^{-1}}$

3 $\small\mathrm{0.150molL^{-1}}$

4 $\small\mathrm{0.300molL^{-1}}$

5 $\small\mathrm{0.600molLL^{-1}}$

正解:3

うわ~

計算問題だ~

と、見ただけで頭がパンクしてしまいそうですが、よくよく考えれば正解に手が届くかもしれません。

 

まずは、問題文の情報を整理してみましょう。

・$\small\mathrm{0.100molL^{-1}}$の過マンガン酸カリウム水溶液が終点までに$\small\mathrm{12.0mL}$必要だった

  • 過酸化水素水は濃度不明だが$\small\mathrm{20.0mL}$あった。
  • 反応式が書いてある

問題文から、このような情報が読み取れます。

 

まずは、求めたい「過酸化水素水の濃度」をAとおきましょう。

過酸化水素水中の過酸化水素の量をモルで表すと、$\small\mathrm{AmolL^{-1}×20.0mL}$になります。

(モル濃度×体積=モル)

 

次に過酸化水素と反応した過マンガン酸カリウムの量をモルで表すと$\small\mathrm{0.100molL^{-1}×12.0mL}$になります。

 

本来は、モル濃度の$\small\mathrm{L^{-1}}$を$\small\mathrm{mL^{-1}}$に変換しなければなりませんが、ここはわざと最後まで計算しないで、掛け算の状態で表現しています。

 

次に反応式を見てみます。

見る部分は、過マンガン酸カリウム過酸化水素の係数です。

過マンガン酸カリウムの係数が2

過酸化水素の係数が5

です。

 

このままだとややこしいので、両方を2で割ります。

そうすると

過マンガン酸カリウムの係数が1

過酸化水素の係数が5/2

となります。

 

このことから、過マンガン酸カリウム1molに対して、過酸化水素が5/2mol反応することがわかります。

つまり、過マンガン酸カリウム1molが反応したということは、過酸化水素5/2モルが存在したという証拠になるという事です。

 

上記の内容から、過酸化水素をすべて反応させるために消費した過マンガン酸カリウムのモル数を求めると

$$\small\mathrm{\frac{5}{2}×12.0mL×0.100molL^{-1}}$$

となります。

 

これが、過酸化水素のモル数と等しくなるので

$$\small\mathrm{AmolL^{-1}×20.0mL=\frac{5}{2}×12.0mL×0.100molL^{-1}}$$

となり、$\small\mathrm{A=0.150molL^{-1}}$となります。

 

おそらく、本来なら滴定の公式か何かを使って解くのが一般的な解答になるかと思いますが、順序だてて考えていけば公式を忘れても何とかなりそうですよね?

 

問12 次のカルボン酸(ア)~(エ)について、水中での酸性の強さの順として、正しいものを、1~5の中から一つえらべ。ただし、不等号で大きい方が強い酸性を示すものとする。

(ア)$\small\mathrm{CH_3COOH}$

(イ)$\small\mathrm{CF_3COOH}$

(ウ)$\small\mathrm{CH_3CH_2COOH}$

(エ)$\small\mathrm{CF_3CH_2COOH}$

 

1 (ア)>(ウ)>(イ)>(エ)

2 (イ)>(エ)>(ア)>(ウ)

3 (ウ)>(イ)>(ア)>(エ)

4 (エ)>(ア)>(ウ)>(イ)

5 (エ)>(イ)>(ウ)>(ア)

 

正解:2

 この問題は、カルボン酸の強さを問う問題ですが、「カルボン酸なんてそんなに知らないよ!」

というのが、本音かと思います。

 

この問題の本質は、「カルボン酸をたくさん知っているか?」ではなくて「酸を知っているか?」というところです。

 

酸というのは、一般的には「酸っぱい」とか「水素イオンを出す」が有名ですが

実はいくつか定義があって

  1. アレニウス
  2. ブレンステッド・ローリー
  3. ルイス

が有名です。

 

それぞれを簡単に解説します。

 

1.アレニウス

酸とは水素イオンを出すもの

塩基とは水酸化物イオンを出すもの

 

2.ブレンステッド・ローリー

酸とは水素イオンを出すもの

塩基とは水素イオンを受け取るもの

 

3.ルイス

酸とは電子対を受け取るもの

塩基とは電子対を出すもの

 

ルイスは少し難しいですが、アレニウスとブレンステッド・ローリーは「水素イオンを出すのが酸」という、なんとなく理解できる内容です。

 

そう、酸というのは水素イオンをだすことができるものです。

カルボン酸も、「酸」と名前がついていますので、水素イオンを出します。

 

つまり、水素イオンを出しやすければ出しやすいほど、強い酸となりますし、水素イオンを出にくい物質が弱い酸となります。

 

この点を踏まえて、問題を見てみましょう。

問題に記載されている化合物は、カルボキシル基に何かがくっついた形をとっています。

カルボン酸は、カルボキシル基から水素イオンを出して酸性になりますので、カルボキシル基にくっついている部分の違いで、カルボキシル基から水素イオンの出やすさが異なるということになります。

 

では、どうすれば水素イオンが出やすくなるのでしょうか?

 

水素イオンは、$\small\mathrm{H^+}$です。

つまり、水素から電子を無くせば水素イオンになります。

カルボキシル基から水素イオンが発生するのは以下のような反応になります。

 

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カルボキシル基から水素イオン発生

 

水素の電子を無くすには、水素からカルボキシル基へ電子を移動させればいいんです。

そのために使われるのが、カルボキシル基にくっついている「何か」です。

 

「何か」が電子を引き寄せる性質を持っていれば、カルボキシル基から電子が無くなり、水素イオンが発生しやすくなる(=強い酸)ということです。

 

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「何か」が電子を引き寄せると水素イオンが発生しやすい

どうすれば電子を引き寄せることができるでしょうか?

それは、「ハロゲン」を使う事です。

 

電気陰性度という指標があり、各元素の電子を引き寄せる強さランキングがあります。

その中で、ハロゲンは上位に君臨しています。

 

その「ハロゲン」の中でも、最強なのが「フッ素」です。

 

ここで問題文の化合物を見てみましょう。

(イ)と(エ)の化合物に、フッ素が含まれています。

そのため、この2つの化合物は他の化合物よりも強い酸になります。

 

どちらかが1位で、どちらかが2位です。

これで選択肢が2と5のどちらかに絞れました。

 

あとは、どちらが強いかですが、フッ素がカルボキシル基に近いほど電子を直接引き寄せることができますので、カルボキシル基にフッ素が隣接している(イ)の方が強い酸になります。

 

よって、正解は2になります。

 

問13 フェノールに十分な量の臭素水を加えたとき、得られる主生成物の構造式として正しいものを一つ選べ。

 

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正解:3

 

この問題は、最近よく出ている気がする、ベンゼン環への反応を問う問題です。

選択肢の全部がありえそうに見えますが、実はそうではありません。

 

まず、ベンゼン環の特徴を考えていきましょう。

ベンゼン環は、炭素が環状に結合していて、炭素間の結合が、単結合と二重結合を交互に繰り返しています。

 

二重結合と単結合を交互に繰り返していると、電子が移動することができます。

これを「共鳴」といいます。

ベンゼン環は環状になっているので、くるくる電子がまわり続けます。

 

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ベンゼン環内の結合移動

 

電子は「ー」の電荷を帯びていますので、電子の位置が常時移動しているベンゼン環に何かくっつけるときは、「+」の電荷を持っている物質を使います。

 

問題では、ベンゼン環に、既にOHが結合したフェノールを扱っていますが、ベンゼン環に官能基が結合している場合、その官能基から見て何番目の炭素に結合するかが決まります。

 

OHが結合している場合は、オルト位とパラ位に結合しやすくなりますので、正解は3となります。

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OHとの位置関係

OHが結合していると、なぜオルト位とパラ位に結合しやすくなるかというと、OHのOからベンゼン環に電子が流れ込むことで、オルト位とパラ位により電子が集まりやすくなり、「ー」の電荷が強くなるからです。

 

 「ー」の電荷が強くなると、「+」の電荷をもった物質がほかの部位よりも結合しやすくなりますので、特定の場所に結合するということです。

 

これをオルト・パラ配向性といいます。

 

対してメタ配向性を発揮する官能基もあります。

 

ベンゼン環にメタ配向性を発揮する官能基が結合していると、オルト・パラ位が「+」の電荷になりやすいため、

オルト・パラ位には「+」の電荷をもった物質が近づきにくくなります。

そのため、オルト・パラ位よりも「ー」の電荷を持っているメタ位に結合します。

 

この場合、オルト・パラ配向性の反応よりも反応しにくいです。

 

問14 200℃、300atmの高温高圧下でエチレンと1,3-ブタジエンとの反応から、主生成物として炭素数6の炭化水素が得られた。この炭化水素の名称として正しいものを一つ選べ。

 

1 ベンゼン

2 ヘキサン

3 1-ヘキセン

4 シクロヘキサン

5 シクロヘキセン

 

正解:5

 

この問題を見ると、「こんな反応知らないよ!」と言いたくなりますが、とりあえず考えてみましょう。

 

こうゆうタイプの問題を考えるときは、素直に考えるのが一番です。

 

まず、エチレンと1,3-ブタジエンの構造を考えましょう。

 

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エチレン

 

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1,3-ブタジエン

 

どちらも炭素同士の結合に、二重結合がありますから、アルケンの仲間です。

構造がわからないときは、名前から推測しましょう。

 

1,3-ブタジエンを例に少し説明しますす。

1,3-ブタジエンというのはブタンにジエンが付いているという意味になります。

ジエンというのは、二重結合を示す「エン」が2つあることを示す「ジ」のことで、2重結合が2カ所にあるということです。

 

そして、その二重結合がある場所が、1と3になります。

まずブタンを書いて、その1と3に二重結合を付ければ完成です。

 

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1,3-ブタジエンの考え方

さて、化合物の構造がわかったところで、次に反応を見てみましょう。

と、言いたいところですが、ぶっちゃけ反応が良く分からない事が多いと思います。

 

反応条件を見ると、温度と圧力は書いてあるものの、エチレンと1,3-ブタジエン以外は化合物が書いてありません。

 

なので、単純に炭素と水素の数を数えてみましょう。

 

エチレンは炭素2個、水素4個

1,3-ブタジエンは炭素4個、水素6個

合計すると炭素6個、水素10個です。

 

選択肢の化合物は

ベンゼンが炭素6個、水素6個

ヘキサンが炭素6個、水素14個

1-ヘキセンが炭素6個、水素12個

シクロヘキサンが炭素6個、水素12個

シクロヘキセンが炭素6個、水素10個

 

シクロヘキセンの炭素と水素の数が、エチレンと1,3-ブタジエンの合計と一致しましたので、5が正解です。

 

え?

こんな解き方はダメだって?

 

実際は、Diels-Alder反応(ディールズーアルダー反応)といいますので、興味がある方は調べてみてください。

 

この解き方は、問題文中で反応しそうな物質が2つしかないのと、選択肢の化合物が、炭素6個で水素の数だけが異なっているため、このような考え方ができます。

もちろん、Diels-Alder反応を知っていれば理想ですが、環境計量士試験は広範囲なので、全部は覚えれないです。

なので、いざという時にこういった考え方も必要かと思います。

 

問23 質量モル濃度が等しい次の不揮発性物質の希薄水溶液の中から、沸点が最も高い物を一つ選べ。ただし、水溶液中で硝酸カルシウム、塩化ナトリウムは完全に電離しているものとする。

 

1 グルコール水溶液

2 尿素水溶液

3 硝酸カルシウム水溶液

4 塩化ナトリウム水溶液

5 しょ糖(スクロース)水溶液

 

正解:3

 

この問題は、沸点上昇に関係する問題です。

一見、各物質毎の特性を知らないと解けないようにも見えますが、実はそうではありません。

必要な知識は、「水に溶かしたときに、どうなるか?」だけです。

 

沸点上昇、あるいは凝固点降下は、溶かした状態でどのくらい電離するかによって決まります。

 

例えば、塩化ナトリウム1個を水に溶かすと、ナトリウムイオン1個と塩化物イオン1個が発生します。

これが沸点上昇にどのように影響するかというと、溶媒が蒸発するときの邪魔者になるのです。

水を例にすると、沸点が100℃の状態で塩化ナトリウムを溶かすと沸点が100℃よりも上昇します。

つまり、より熱をかけないと沸騰しなくなります。

沸騰というのは、液体の水が気体の水に変わって、飛んでいく現象ですが、もう少し詳しく考えてみましょう。

 

液体は水分子同士がくっついているので、分子が集まっています。

学校で例えると、教室にみんな入って授業を受けている状態です。

 

次に沸騰した状態ですが、授業が終わってみんな教室から外に出ようとしている状態です。

 

では沸点上昇の場合は何が起きているのでしょうか?

上記と同様に教室で考えてみましょう。

 

授業が終わって、みんな外に出たいのですが、出口のところにバリケードがおいてあって、なかなかうまく外に出ることができない状態です。

 

このバリケードが、水に溶かしたものです。

 

そして、このバリケードは溶かしたものが複数に分かれる(=電離する)ほど、多くなり、バリケードが多いほど教室の外に出るのが困難になります。

 

つまり、水分子は蒸発したいけど、水に溶かした物質によって邪魔されてなかなか蒸発できないので、もっと温度を上げないと沸騰しないのです。

 

では選択肢の中で、最もバリケードが発生する物質を考えてみましょう。

 

バリケードが発生するものは、「水に溶かしたときに沢山分かれるもの」です。

グルコース尿素、しょ糖は水に溶かしても、電離しないので沢山分かれません。

 

硝酸カルシウムと塩化ナトリウムは水に溶かすと電離しますので、この2つの方がほかの物質よりも沸点上昇します。

 

硝酸カルシウムは、カルシウム1個に硝酸イオンが2個ついていますので、水に1個溶かすと3個の邪魔者に増えます。

 

塩化ナトリウムは、ナトリウム1個に塩化物イオンが1個ついていますので、水に1個溶かすと2個の邪魔者に増えます。

 

邪魔者が多いほど、沸点は上昇しますので、正解は3となります。

 

③まとめ


皆さん

いかがでしたでしょうか?

化合物の構造や、物質の特徴を知っていれば何とか解けそうな問題がちらほら見えます。

 

なので、試験勉強をするときは、過去問で出題された化合物について調べておくとより柔軟に対応できるかと思います。

 

本当は計算問題をもう少し書きたかったのですが、数式を入力するのに慣れていなかったため、今回は見送りました。

後程追加したいと思います。