環境計量士(濃度)

【初心者向け】環境計量士(濃度関係) 国家試験攻略 その③ ~問題の解き方 環化編~

こんにちは!

Thinkです(Twitterアカウント👉https://twitter.com/Think_blog_2019)。

今回は、環境計量士(濃度)(以下環境計量士)の受験体験談の第2弾として、難しいとされる環化の問題の解き方について書いてみました。

今後受験される方の参考にしていただけると幸いです。

なお、この記事で掲載している問題は、経済産業省のホームページで公開されている昨年の試験(第69回)の試験問題から引用しております。

①必要な知識レベルと問題の傾向は?

必要な知識レベル

環境計量士で出題される化学の問題レベルは、大学受験レベル(高校化学の範囲)だと思います。もちろん大学レベルの問題もありますが、大学受験レベルの化学知識があれば、合格ラインの点数を取ることが可能だと思います。

計算で使用する数学の知識も高校数学レベルですが、こちらは基礎的な知識で十分です。

問題の傾向

数年前の環境計量士の試験では、電卓の持ち込みが可能でした。

そのため、計算問題は難しい問題が出題されていましたが、近年は電卓の持ち込みが不可能となったため、計算問題は手計算で解ける問題に変わり、計算問題の数自体が減ってきています。

そのため、時間がかかる計算問題を頑張って解くよりも、文章問題を確実に解くほうが点数を稼げます。

②試験はどのような流れで解けばいい?

試験はまず文章問題を解き、残った時間で計算問題を解くようにしましょう。

これは環境計量士に限った話ではなく、一般的な内容になりますが、計算問題に時間をかけてしまうと、残りの問題を解く時間が無くなり、本来なら正解していたはずの問題を落としてしまう可能性があるからです。

そして、ぱっと問題を見たときに答えがわからないときは、選択肢に違和感を感じたものを中心に考えてみましょう。

③わからない問題が出たときは?

過去問から問題をピックアップして、解き方の一例を作製してみました。

「こんな問題解けて当然だよ!」と思う方もいらっしゃると思いますが、問題を見たときに「あれ?これ分からない?」となった時の考え方の参考としていただけると幸いです。

問9 不純物を少量含む物質の純度を高めるための方法に関して、次に示した組み合わせの中から、誤っているものを一つ選べ

 物質不純物純度を高めるための方法
1窒素酸素低温で液化した後、蒸留
2よう素よう化カリウム加熱による昇華
3塩化ナトリウム塩化マグネシウム水溶液の電気分解
4硝酸カリウム塩化ナトリウム高温の水に飽和させた後、冷却して再結晶
5o-ニトロフェノールp-ニトロフェノールシリカゲル吸着クロマトグラフィー

物質と不純物を見ても正しいのか誤っているのかわからないため、まずは純度を高めるための方法を見てみましょう。

これらの中で、1つだけ書き方が違う選択肢があります。それは3の「水溶液」です。ほかの選択肢には物質と不純物の初めの状態(個体、液体、気体、水溶液など)が書いていません。なぜか3だけが「水溶液」という詳細な情報が書いてあります。

ここで塩水(塩化ナトリウム水溶液)の電気分解を思い出してみましょう。塩水を電気分解しても水素と塩素が発生してしまうため、「塩化ナトリウム」の純度は上がりません。なので3が誤っているので正解です。ほかの選択肢が正しいのか誤っているのかはわかりませんが、少なくとも3が誤っていることが分かれば正解です。

もちろん、はじめから「塩化ナトリウムを電気分解しても塩化ナトリウムの純度が上がらない」こと知っていればすぐに解けますが、問題を解く時のとっかかりを作るのも一つの手だと思います。

問15 エタノールは、1気圧で78.3℃の沸点を示す。この温度におけるエタノールの蒸発熱が39.3kJ/molであるとすると、蒸発エントロピーは幾らか。次の中から最も近いものを一つ選べ。

1-502 J/(K・mol)
2-112 J/(K・mol)
30 J/(K・mol)
4112 J/(K・mol)
5502 J/(K・mol)

問題文に書いてある単位と選択肢の単位を見比べてみましょう。

問題文には温度の「℃」と「kJ/mol」があります。一方、選択肢には「J/(K・mol)」があります。

つまり問題文の沸点の「℃」を「K」に変更、蒸発熱の「kJ/mol」を「J/mol」にそれぞれ変更して、蒸発熱÷沸点を計算すれば、選択肢と単位が合致します。

この考えで39.3×1000÷(273+78.3)と計算すれば約112 J/(K・mol)となります。

このように、問題文と選択肢の単位を比較して、合致するように計算することで正しい解き方がわからなくても正解することができます。

 問18 炭素とけい素に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。

1炭素原子は互いに共有結合で結合し、六員環を形成することができる。
2一般にダイヤモンドは絶縁体であるが、黒鉛(グラファイト)は電気伝導性を持つ。
3けい素は地殻中で炭素よりも存在度の小さい元素である。
4けい素-けい素の単結合は、炭素-炭素の単結合よりも結合エネルギーが小さい。
5けい素単体の結晶は、常温常圧でダイヤモンド型の結晶構造をとる。

全部正解のように書いてありますが、まずは身近に存在するけい素を考えてみましょう。

身近なけい素は、半導体、ガラス、砂などといったものに含まれており、比較的身の回りに存在しています。    

それを踏まえたうえで選択肢を眺めていくと、3の文書で引っかかると思います。しかも「地殻中」と、存在場所が限定されています。

炭素は確かに、二酸化炭素や生物として身近に存在するものですが、「地殻中」だと岩石や土が多いですよね?。また、砂がけい素だということを踏まえると、炭素よりも存在度が小さいことはありえず、少なくとも存在度が同じか大きいかのどちらかになると予想できます。

そのため、ほかの選択肢が正しいのか誤っているのかわかりませんが少なくとも「誤っているのは3の可能性が高い」と考えることができます。

このように、身近な物や現象をよく考えることで、正解を選択することもできます。

④こじつけのようにも見えますが…..?

3問を例に、問題の解き方を書いてみましたが、実際正解に合わせているこじつけのようにも見えると思います。

ですが、あくまでも「知らない問題(過去問で見たことがない問題)を見たときに、可能な限り正解に近づく考え方」の一つとして参考としてもらえるとありがたいです。

実際、私は勉強の時間が取れず過去問集を1周もしていません。試験中に上記のような考え方で問題を解いた結果、無事に合格することができました。

まずは試験に合格しないとなにも始まりませんので、資格の名に恥じないように今後さらに勉強していきたいと思います。

⑤環境計量士関係の記事

コチラのサイトに私がこれまで投稿した記事をまとめました。
是非ご活用ください。