こんにちは!
Thinkです(Twitterアカウント👉https://twitter.com/Think_blog_2019)
今回は危険物取扱者の試験を初めて受験する方のために、第六類の特徴について記事を書きました。
乙第六類を受験する方だけでなく、甲種を受験する方でも参考になるかと思いますので、今後受験しようと考えている方やまさに受験勉強をしている方は、是非ご覧いただければと思います。
👇危険物取扱者の概要は以下の記事で解説しておりますので、こちらも併せてご覧ください。
①第六類って何?
危険物の第六類は、「酸化性液体」です。
概要は
「他の可燃物の燃焼を促進する液体」
です。
どこかで見たことありますね。
そうです、第一類と似たような性質です。
酸化性液体
- 酸化する
- 性質を持った
- 液体
です。
第一類は固体でしたが、第六類は液体です。
なので、性質はほとんど一緒ですので、酸化については第一類の記事を参考にしてもらえればと思います。
👇第一類の記事
簡潔に書きますと、第六類は他の物を酸化しますので、酸化されやすい物(=可燃物)と一緒にすると、燃え上がります。
なので、管理する上で、可燃物との接触は避けなければなりませんし、水と接触して発熱するものもあります。
②第六類に指定されている物質
第六類は、化合物毎に分類されています。
第六類は、他の類と比較してそこまで数は多くないですし、複雑な構造もありません。
また、指定数量は全部一緒で、「300kg」です。
第六類共通の特徴ですが
- 分子内に過剰な酸素が結合している
- ハロゲンとハロゲンの化合物
です。
分子内に過剰な酸素を持っている点については、第五類でも触れましたが、過剰な分を放出して、安定な形に戻ろうとします。
第五類では、この時放出した酸素が、同じ分子内にある炭素、水素などと結合することで、燃焼が起こりましたが、第六類は、同じ分子内に燃焼する物が無いので、自分が燃焼することはありません。
また、これは硝酸についても同様です。
次にハロゲンとハロゲンの化合物ですが、これ自体は酸素を分子内にもっていませんので、酸素を放出することはありません。
ですが、電子を引き付ける力が強いハロゲン同士が結合していますので、容易に結合が外れ、他の物質に結合します。
そして、ハロゲンは他の物質に結合すると、酸素のように電子を奪います(=酸化)ので、酸化作用があります。
また、特にフッ素を含んでいる物は、様々な物と反応してフッ化物を作ります。
水とも反応しますので、注意が必要ですし、ガラスでさえ溶かしてしまいます。
<過塩素酸>
第一類では過塩素酸ナトリウムがありましたが、こちらはナトリウムの代わりに水素が結合しているものです。
不安定な物質で、とても酸化力が強いです。
そのため、可燃物と混ぜるだけでなく、ただ貯蔵していても徐々に分解し、爆発する危険性があります。
もちろん、可燃物と混ぜるのもダメです。
<過酸化水素>
水分子にさらに1つ酸素が結合した物です。
こちらは、ケガをしたときに使う消毒液のオキシドールの主成分です。
消毒に使うのは、3%程度の水溶液ですが、工場や実験で使う時はもっと濃い物を使います。
しかし、濃度が50%以上になると、急速に分解する可能性が高くなり、爆発することもあります。
もちろん、可燃物と混合するのはダメです。
消毒液のような濃度が低いものであれば大丈夫ですが、濃度が濃い物に可燃物と接触すると、急激に酸化が起こり、爆発します。
<硝酸、発煙硝酸>
硝酸は水に二酸化窒素が溶解したものですが、86%以上溶かしたものを発煙硝酸といいます。
なぜ発煙するのかというと、二酸化窒素の水に溶ける限界量付近の濃度なので、水から二酸化窒素が揮発してくるためです。
いわゆる満員電車のようなもので、ドアが開いた瞬間に人が流れ出てしまう(=二酸化窒素が空中に飛び出す)ようなものです。
<その他政令で定めるもの>
具体的には
です。
これらは、臭素やよう素といったハロゲンに、ふっ素が結合した物です。
不安定な物質で、水や可燃物と接触すると激しく反応し、発熱します。
また、猛毒のふっ化水素を発生しますので、火災時には水系の消火剤は使えません。
<試験>
・燃焼試験
酸化力の潜在的な危険性を評価する試験

④第六類全体の共通事項
<特性>
- 不燃性の液体
- 無機化合物
- 酸化力が強い
- 腐食性があり、蒸気が有毒
<火災予防方法>
<消化方法>
- 水や泡消火剤(ハロゲン化物はダメ)
- 二酸化炭素やハロゲン化物を用いた窒息消火は効果が無い
⑤まとめ
第六類は酸素を出して可燃物を酸化させる「酸化性液体」です。
自身が酸素をだしますが、第五類と異なり、自身は燃えないです。
酸化性なので、他の危険物を運搬するときは、同一車両に以下の物と一緒に積んではいけません。
- 第二類(可燃性固体)
- 第三類(自然発火性物質、禁水性物質)
- 第四類(引火性液体)
- 第五類(自己反応性物質)
第一類は酸化性の固体ですので、一緒に輸送できます。
ですが、それ以外の類は可燃物なので、接触する可能性を無くさなければなりません。