勉強の仕方

【初心者向け】危険物取扱者の勉強法 第四類編

こんにちは!

Thinkです(Twitterアカウント👉https://twitter.com/Think_blog_2019)

 

今回は危険物取扱者の試験を初めて受験する方のために、第四類の特徴について記事を書きました。

 

乙第四類を受験する方だけでなく、甲種を受験する方でも参考になるかと思いますので、今後受験しようと考えている方やまさに受験勉強をしている方は、是非ご覧いただければと思います。

 

👇危険物取扱者の概要は以下の記事で解説しておりますので、こちらも併せてご覧ください。

www.think-diary.com

 

 

①第四類って何?


危険物の第四類は、「引火性液体」です。

 

概要は

「引火点を有する液体」

です。

 

すごく簡単な表現で書かれています。

まずは文字の意味から考えていきましょう。

 

引火性液体

  1. 引火する
  2. 性質を持った
  3. 液体

です。

この場合の液体は、40℃以下、1気圧の状態で液体ということですね。

 

「引火する」について説明します。

引火というのは、火と接触したときに、燃え移ることができる温度です。

日常生活の中ではあまり気にすることがありませんが、温度が低い環境だと引火できないので、物に火をつけることが難しくなります。

 

似たような言葉に「発火点」というのもがありますが、こちらは火と接触させるのではなく、単純に自然発火する温度のことですね。

火がなくても自ら発火する温度が「発火点」です。

併せて覚えましょう。

 

話を引火に戻します。

第四類は引火する液体なので、可燃性の液体になります。

第二類が可燃性の個体だったのに対して、こちらは液体ですね。

 

具体的には車のガソリン、ストーブの灯油といったガソリンスタンドで販売されているものです。

また、台所で使うサラダ油も該当します。

 

おそらく全6種類ある危険物の中で、一番身近なものかもしれませんし、取り扱いが多いので危険物乙類の中で一番人気がある種類かもしれません。

 

引火点があるので、火元があれば容易に火が付きます。

また、可燃性なので、第一類や第六類のような酸化する性質をもった物質と一緒にすると燃え始めますので注意が必要です。

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②第四類に指定されている物質


第四類は、引火点毎に分類されています。

  • 特殊引火物
  • 第一石油類
  • アルコール類
  • 第二石油類
  • 第三石油類
  • 第四石油類
  • 動植物油類

とても細かく分類されていますが、第四類に共通する特徴として

  • 有機化合物
  • 身近なものが多い

です。

 

第四類はほとんどが有機化合物ですので、燃焼には外部から酸素が必要ですし、燃焼すると二酸化炭素が発生します。

 

また、前述しましたが、ガソリンや灯油、サラダ油といった身近なものが多く該当しますので、町中を歩き回るときに、どこにどういった管理で危険物が置いてあるか見ることができ、勉強するうえでイメージしやすいです。

<特殊引火物>

引火点が-20℃以下で沸点40℃以下のもの

沸点が40℃超えても発火点が100℃以下のもの

が該当します。

 

指定数量:50L

 

特殊引火物は、第四類の中で一番危険なものです。

具体的には

です。

引火点が-20℃以下、あるいは発火点が100℃以下なので、酸素と火元があればすぐに火が付く物質です。

また、沸点が40℃以下のものがありますので、我々が生活している環境、特に真夏だとすぐに気化して酸素と混合し、少しでも火元があれば一気に発火してしまいます。

 

とても怖い物質ですね。

<第一石油類>

非水溶性と水溶性に分かれています。

引火点が21℃未満のものが該当します。

 

非水溶性(指定数量:200L)

水溶性(指定数量:400L)

 

おそらくこれらの物質の中で、一番有名なのはガソリンだと思います。

身近なもので言えば、車の燃料ですね。

 

ガソリンは揮発性が高く、引火点も低いので車のエンジンの中で燃焼しやすいです。

燃焼しやすいので燃料として利用されていますが、これがエンジン外で燃焼すると手に負えません.

 

あの重い車を動かすエネルギーが制御なしに一気に放出されるからです。

 

ガソリンは有名なので、テストに出やすいかもしれません。

ガソリンの特徴は以下の通りです

  • 本来は無色、自動車のガソリンはオレンジ色に着色されている
  • 水に溶けない
  • 揮発しやすい
  • 比重が空気よりも重い(低い場所にたまる)
  • 静電気が発生して溜まりやすい

本来は無色ですが、灯油や軽油と区別するためにオレンジ色に着色されています。

 

また、揮発しやすいですが、気体の比重が空気より重いので、揮発したらそのまま下に流れていきます。

 

真夏にガソリン車を給油すると、給油口からモヤモヤした物が下に流れていくのが見えるかと思いますが、あれがガソリンです。

 

上に飛んでいく場合は、風で散りますが下に行くと散りにくいので、溜まってしまいます。

ガソリンスタンドの外に流れ出ないように、周囲には必ず排水溝が設けられていますし、給油場所にとどまらないように床は勾配があります。

 

<アルコール類>

一分子を構成する炭素原子の数が1個から3個までの飽和一価アルコールのことです。

指定数量:400L

飽和一価アルコールと書くと、少し難しいですが

「飽和」というのは、二重結合を持ってないということで、すべて単結合になっている状態を言います。

炭化水素の名称で、アルカン、アルケン、アルキンとありますが、このなかのアルカンがアルコールになった形です

 

「一価」というのは、分子内にヒドロキシル基が1つしかついていないということです。

2つついていれば「二価」、3つついていれば「三価」といいます。

また、アルコールの覚え方ですが、名称の最後に「オール」が付きます。

 

例えば、メチルアルコールメタノールともいいますが、これはメタン+オールでメタノールになっています。

プロピルアルコールも、プロパノールとも言いますので、一緒に覚えていたほうが良いでしょう。

 

他にアルコールと名の付くもので、ブチルアルコールがありますが、これは炭素が4つなので、アルコール類には含まれず、第二石油類に該当します。

 

<第二石油類>

非水溶性と水溶性に分かれています

引火点が21℃以上70℃未満のものが該当します。

 

非水溶性(指定数量:1000L)

水溶性(指定数量:2000L)

 

第二石油類の中で、一番有名なのは灯油でしょうか。

灯油は冬の暖房器具の燃料として使われます。

今の時代だとエアコンが主流かもしれませんが、北国ではまだまだ現役の燃料です。

また、軽油ディーゼルエンジンを搭載した車や、船舶用の燃料に使われています。

 

灯油も軽油も、ガソリンと比較して安全なものと認識しがちですが、温度が引火点以上になったり、霧状などの空気との接触面積が大きくなるとガソリンと同じように危険になるので注意が必要です。

 

<第三石油類>

非水溶性と水溶性に分かれています

引火点が70℃以上200℃未満のものが該当します。

 

非水溶性(指定数量:2000L)

水溶性(指定数量:4000L)

重油はねばりの強さによって、A重油、B重油、C重油に分類されます。

引火点が高いですが、霧状などの空気との接触面が増えると、燃焼しやすくなります。

また、不純物として硫黄が含まれるので、燃焼すると毒性のある硫黄酸化物のガスが発生します。

 

エチレングリコールは車のウィンドウォッシャー液が凍らないようにする不凍液として使われます。

 

<第四石油類>

引火点が200℃以上250℃未満が該当します。

指定数量:6000L

  • ギヤ―油
  • シリンダー油
  • タービン油
  • 可塑剤

機会の摩擦を少なくする潤滑油やプラスチックの加工に使う可塑剤が該当します。

引火点が高いので、加熱しなければ引火する危険性はないです。

<動植物油類>

動物や植物から抽出した油で、引火点が250℃未満のものが該当します。

指定数量:10000L

  • ヤシ油
  • パーム油
  • オリーブ油
  • ヒマシ油
  • 落花生油
  • ナタネ油
  • 米ぬか油
  • ゴマ油
  • 綿実油
  • トウモロコシ油
  • ニシン油
  • 大豆油
  • ヒマワリ油
  • キシ油
  • イワシ
  • アマニ油
  • エノ油

日常生活で使うのは、オリーブ油やナタネ油、ゴマ油でしょうか。

これらは料理に使う方がいらっしゃるかと思いますが、なんと危険物に該当します。

一見安全に見えますが、一度酸化が始まると、発熱し引火点まで温度が上昇すると自然発火することがあります。

 

暖かい廃油を紙にしみこませてゴミ箱に捨てたら、自然発火した。

なんて事故もあります。

<試験>

・引火点測定試験

引火の危険性を判断するための試験

 

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④第四類全体の共通事項


<特性>

  • すべて引火性の液体(可燃物)
  • 引火点の低い順に分類される
  • 燃焼範囲が広く、下限界が低い
  • 沸点や引火点が低いほど危険
  • 液状の時、比重が1よりも小さい物が多い(水に浮く)
  • 蒸気の時、比重が1より大きい(空気中では下に流れる)
  • 水に溶けないものが多い
  • 無臭の物はない

<火災予防方法>

  • 蒸気を発生させない
  • 火気を近づけない
  • 蒸気が低い位置にたまるので、通風により拡散させる
  • 静電気が溜まり、発火する可能性があるので静電気を除去する

<消化方法>

  • 窒息消火が有効(粉末、二酸化炭素、泡、ハロゲン化物、強化液)
  • 比重が1よりも小さいものを水で消火すると、危険物が水に浮き、火災が拡大するので、水による消火はできない
  • 水溶性危険物の火災は、一般泡消火剤が使えないので、水溶性液体用泡消火剤を使用する。

 

⑤まとめ


第四類は引火性を持つ液体です。

引火性を持つということは、酸化されるもの、つまり可燃物です。

 

第二類は固体でしたが、第四類は液体のみです。

 

そのため、指定数量はリットル(L)表記になります。

 

他の危険物はすべてキログラム(kg)表記ですので、気を付けてください。

 

可燃性の液体なので、他の危険物を運搬するときは、同一車両に以下の物と一緒に積んではいけません。

  • 第一類(酸化性固体)
  • 第六類(酸化性液体)

第一類及び第六類は酸化性の物質ですので、可燃物である第四類と接触する可能性を無くさなければなりません。

 

逆に可燃性の物は他の物を酸化することはありませんので、一緒に積んでも大丈夫です。